3つ目のポイントとして、
演技の時には自分のテクニックや手順ではなく、「お客さん」に対して意識を集中する。
ことを挙げたいと思います。
これは具体的にはどういうことでしょう?
マジシャンは2つのことを同時にこなしています。
ひとつはマジックを「シナリオ通りに進行させる」ことであり、もうひとつは、その進行に合わせてお客様に、「今何を行ったか?」という説明をし、最終的な不思議な現象に導くことです。
そのためにセリフが必要です。
セリフは会話ですので、会話のマナー、原則である、「相手の目をみて話す」が基本になります。
決して、顔を伏せて手元を見ながらセリフを話してはいけないのです。
あるいは、何もしゃべらず黙々とマジックを演じることもあり得ません。
(しゃべらないことが計算された演技であるマジックもありますが)
と、いうことはマジシャンは演技中には手元を見ないか、あるいは手元とお客さんの顔を同じくらいの比率で見るということが必要になります。
しかもしゃべりながらです。
この状況を練習の時に意図的に作るために私が実践していることをご紹介します。
1)鏡の前で練習する。
これはマジシャンにとって非常に重要な基本として、長い歴史を経て伝えられてきた事柄です。
鏡の前で練習する。あるいはビデオを収録しながら、つまりビデオのモニターを見ながら演じてみる。
これによって起こることは、進行している自分の演技をリアルタイムで第三者の視点で確認しながら手順を進めるという状況が生み出されることです。
必然的に手元を見てはいられません。
2)練習の時から、大きな声で演技に必要なセリフをしゃべりながら手順を進める。
手順やテクニックだけを覚えて「ああやって、こうやって」と練習しても、それを「演技」にするためには、本番と同じ、いわゆる「通し稽古」をして演技を身に付けなければなりません。
そのためには本番と同じセリフを話しながら練習することが重要です。 この状況を克服するために、カードマジックのテクニック(例えばダブルリフトとか、エルムズレイカウントとか)を行いながら、何かをしゃべり続けるという練習が効果的です。
私の場合、エルムズレイ/ジョーダンの両カウントを交互に行いながら、この状況に相応しいあらゆるセリフを口にしてみます。
ただし、「普通のカード(禁句)があります」などというタブーのセリフは言わないように、癖になってしまうと大変です。
4枚のカードを使って不思議なことをしてみましょう。
4枚だけのトランプを使ったカードを見たことはありますか?
この様にすべて裏になってしまいます。
このように一枚のエースがひっくりかえってしまうんです。
不思議なことに、もとに戻ってしまいます。
等々・・・・
しかもこの間、なるべく視線が手元だけを注視しないように、見るとしても軽く見ているという程度、あるいは手元とお客さんの顔を交互見る、ようにできれば理想です。
お客さんに話しかけながら演技を進めるための練習は、正直あまり他人に見られたくない姿ですけどね(笑)
本番をシミュレーションするというのは凄く大切なことですから、ここは覚悟してやりましょう。
私の場合は家人が寝静まった夜中にやったものです(笑)
1日4分自己催眠トレーニング『脱!!恐怖症プログラム』